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2016年 03月 16日

2016年 CCTV「315晩会」速報

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 今年も「CCTV 315晩会」が放映されました。昨年は全人代との関係でイレギュラーな放送時間でしたが、今回はいつも通り20時からのオンエアでした。結果としては、今年の内容は日系企業及び外資企業を取り上げる内容は無く、大方の予想通りの内容が報道される結果となりました。その内容は、デリバリーアプリ「饿了么」における店舗情報の偽装、中古車ネット販売「車易拍」における価格差の問題、入れ歯インプラントの違法金属使用、「道有道科科技公司」による違法なネット課金、「盛世網賺創業」のサイト口コミの偽装の五つの特集で構成されていました。「今年はECと自動車が危ない」と言われていましたので、珍しく?予想通りの結果に落ち着いた気がします。

 今回も複数の会社さんが直前になって「独自に入手した情報で、どうやらウチが出る可能性が高いらしい」という相談を持ち込んでいらっしゃいました。もちろん、クライアント企業にとっては一大事であり、慌てる気持ちはよく理解できるのですが、我々からすると、過去にもう少し深刻度が高い場合を経験しているので、そう言ったタレコミ?の類については、惑わされ過ぎないように注意することが重要だと考えています。場合によっては、その問題解決のためにお金を要求されたり、広告出稿を要求されるケースもあるからです。

 冒頭で「予想通りだった」と書きましたが、予想はほとんど意味を成しません。得てして予想は外れることが多いです。あえて予想ができることといえば、やはり日中関係が良好ではない時、または中国が国内問題に揺れている(国内から国民の目を逸らしたい)時などは、そのリスクは高まるものと考えています。しかしそれよりも、平素から有事の際にどのような体制をとるのか、意思決定者は誰なのか、基礎的な対応手段は何を行うのか、を準備することが大事です。315は日本企業にとっては、ある種「防災の日」のように、危機管理意識を高め、対応訓練を行うと言えるのかもしれません。何も起きなかったから言えることではありますが(苦笑)

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by hf0424 | 2016-03-16 10:58 | Media
2016年 03月 02日

中国消費者の日:番組内容と政府の思惑の相関関係

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 前回の続きで、315に取り上げられる企業や、その報道の方針について記したいと思います。前回の最後に、政治的な背景や国内産業保護の観点などが見え隠れするところがポイントだ、と書きました。例を出してみましょう。私が中国に赴任した2007年の翌年、2008年は北京オリンピックが開催され、中国が大きな注目を集めた年でした。この年の315は外資企業を叩く報道は非常に抑えたものとなりました。オリンピックを前に、中国の大気汚染やオリンピックの準備状況が世界中の報道で問題視されていた時期で、無用に外資企業を刺激して、外国のメディアの注目を集めたくなかったからだと言われました

 その翌年2009年は、どんな年だったかというと2008年末の金融危機を受け、外資企業の対中投資が下がり、中国の経済成長にも疑問視がつけられた時期でした。特に金融危機による欧米や日本の影響は強く、間接的にその影響が中国に及ぶことが危惧されていました。それゆえこの年も外資企業を叩くことはなく、曖昧でお茶を濁したような内容に驚いたものでした。さらに翌年の2010年は、上海万博が行われた年でした。世界から注目を集める年ではありましたが、金融危機の影響からいち早く脱しつつあるのが中国だけ、というような状況がありました。それに自信を深めたからか、この年はHPのパソコンや、日系韓国系の液晶テレビメーカー数社が取り上げられるなど、315の外資叩きが復活した年になりました。これ以降、毎年のように外資系企業が大きく取り上げられる状況が続いています

 では、企業にできることは何があるでしょうか。報道されることを避けることは困難なので、企業にできることは「転ばぬ先の杖」つまり、事後の対応の確認や準備ということになります。大企業の多くは、危機管理広報マニュアルなどを整備して、対応の手順や対応チーム・責任者を規定したり、突然の取材に備え、経営者のみならず工場や売り場の責任者などを含めたシミュレーショントレーニングを行ったりしています。また、最近ではウェブメディアやSNSの発達により、報道された後の対応が迅速に求められます。OA終了後と言わず、OA中から話題はネットを中心に拡散しますので、企業はHPや公式のSNSを通じて、どれだけ早くリアクションをできるか、というところも、対応の成否を分けるポイントになってきています。もちろん、実際にはすぐに回答ができないような、難しい問題を孕んでいることが多く「こうすべき」とわかっていても、その通りには出来ないものなのですが。

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by hf0424 | 2016-03-02 06:09 | Work
2016年 02月 29日

中国消費者の日:CCTV「315晩会」

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  この時期になると、日本企業の広報関係者のみならず、マーケティング担当者、経営者までもが話題にする、重要なトピックがあります。3月15日世界消費者デーです。一応世界的に消費者の日ということらしいのですが、他国で聞いたことはなく、中国だけが毎年この日を「消費者の日」として、国営放送であるCCTVのゴールデンタイムに約2時間の「315晩会」という特別番組を放送して盛り上げています。その内容はというと、企業や団体の製品やサービスで、消費者の権利を侵害しているものを取り上げて告発する、という内容で外資系企業もよくその餌食… いえ、対象とされることから、毎年企業が戦々恐々としている日なのです。その視聴率は、毎回高い視聴率を誇るため、決して無視ができるものではありません。

 無視ができない理由は、まだあります。315の報道はCCTVの番組だけではないからです。毎年3月1日にCCTVが「315晩会」のテーマを発表する前後から、新聞やウェブのニュース媒体が、こぞって315特集を組み始めます。さながら「今年はあそこが槍玉にあげられるぞ」と言った体の予想屋を彷彿とさせます。そういったメディアが厄介なのは、そういった記事が出る前に企業に連絡してきて「ウチの新聞が、御社を315特集で取り上げようとしている。しかし今、広告を出稿してくれれば、止めることができる」などとタカリのような電話を寄越してくるのです。影響力のないようなレベルの低いメディアかといえば、結構権威のあるメディアまでそんなことをやっていたりして驚きます。権威のあるメディアの場合は、もっと意味深で「御社は今年CCTVの315晩会に出る可能性が高いが、私に任せてくれれば止めることができる」などと連絡がある場合もあるそうです。こういった手のものは、基本的には断ることになるのですが、断り方も難しいところがまたポイントです

 CCTVの番組の話に戻りましょう。番組は、大きくは3つほどの特集(対象となる企業などに、隠し撮りや潜入取材などを行ったVTRで構成)と、4-5件ほどの小さいトピックで全体を構成しています。特に冒頭の特集に取り上げられると、ダメージが大きいとされています。この5年くらいでは、日系企業では14年に取り上げられたニコンの印象が強いですが、13年にはアップルやフォルクスワーゲン、12年にはマクドナルドやカルフールなどが取り上げられています。ここで取り上げられる企業については、もちろん、本当に不当に消費者の権利を侵害している場合もありますが、少しこじつけに近いこともままあります。むしろそれよりも、政治的な背景や国内産業保護の観点などが見え隠れするところがポイントす。事実上、取り上げられるリスクを回避する方法は、実際のところは無いというのが現状です

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by hf0424 | 2016-02-29 06:02 | Media