酔いどれ広報マン中国をゆく

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2016年 05月 10日

網紅(ワンホン)の人気

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 正確にいつからと言われると分かりませんが、個人的には昨年から「網紅(ワンホン)」という言葉を多く見かけるようになりました。ここ最近では、仕事でも関わりを持つようになり、現在の大きなトレンドになっています。「網紅(ワンホン)」とは「網=インターネット」「紅=有名人」という言葉の掛け合わせで、ネット上の有名人/KOLやネットアイドルのような意味を指しますが、ネットと言っても、彼らの主戦場が「ネット動画」であるということがひとつのポイントです。これまでにも、古くからKOL(Key Opinion Leader)はその筋の有名人、として存在しましたし、SNSが流行ってきてからは、まずは微博(ウェイボー、中国版Twitter)上でのKOLを「紅人(ホンレン)」と呼んで、企業ももてはやしました。微信(ウェイシン、中国版LINE)が流行ってからは、公衆号というメディアIDが流行るようになりました。そしてここに来て流行ったのが、この「網紅(ワンホン)」です。

 一部のニュースでは、ファンドが網紅に数億円規模の出資を行ったというニュースや、その広告枠に数億円の値がついた、とまで報道されているほどで、ますますブームは過熱の様相を呈しています。しかし、日本ではUSTREAMやニコニコ動画などのサービスでライブストリーミングが流行ったのがもう数年前なので、中国でのブームは少し遅い感もあります。また、10年前には「アメリカや日本で流行ったネットサービスが、数年遅れで中国で流行る」と言われていました。しかし、今回も同じ文脈で考えると、網紅についてはそうではない気がしています。すでに、中国のネットサービスは独自の進化をして、日本やアメリカよりも局地的に進んでいることすらあります。私の中では、いろいろな環境が今のタイミングで合致して流行っているように感じています。

 まず、このトレンドを作り出した紅網本人に注目してみると、彼らはやはり素人であり、動画の専門家であることは少ないため、現在のスマホの動画撮影の品質向上と視聴環境の向上は、このブームの絶対的な前提条件です。その上に、やはり彼らが稼げるか、というところが大きなポイントになります。PVをマネタイズすることももちろんですが、多くの企業がこの分野に注目して、メディアとして、コンテンツメーカーとして、網紅に投資していることも重要なポイントだと思います。中国ではもともと、この手の広義のKOLに支払われる企業のマーケティング予算が、とても多いです。それは、KOLを専門家としてのエンドースメント力を重視しているのではなく、あくまでもメディアとして機能しているからでしょう。ただし、この手の人たちは素人ですし、たとえ網紅ビジネスがプロダクション化していても、なかなかコントロールがしにくいこともポイントです。それゆえトラブルは後を絶ちませんが、企業はその注目度と影響力ゆえに、なんとかして活用したいというのが現状です。

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by hf0424 | 2016-05-10 06:42 | Media
2016年 04月 11日

中国における広報活動の必要性

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 4月になり、日本企業の多くが新年度を迎えました。例年この時期は、は企業派遣の海外駐在員の方々の出入りが多い時期でもあります。またこの時期、クライアント企業からよくある依頼が、新任者向けに、中国事情やメディア環境、中国での広報の必要性についてブリーフをして欲しいという依頼です。さらに得てして多いのは、そのブリーフ対象者が比較的高い職位にあり、場合によっては広報や宣伝等の業務の経験がないというパターンです。正直なところ、中国事情やメディア環境などについては、こちらにも情報の蓄積がありますので簡単な話なのですが、問題は「中国における広報活動の必要性」というお題目です。これは基礎的な話のようで、非常に難しい問題だと、年を追うごとにその思いを強めています。

 まずクライアント企業の依頼主及びブリーフ対象者が、マーケティング担当者なのか、広報担当者なのか(もしくは経営層なのか)によって、お話すべき内容には大きな違いがあります。言い換えれば、広報・PRという手段を、何の目的に使おうとしているのかという問題に直結するのですが、やはりその違いは手段自体の違いを生みます。また必要性の話とは対極的に、そもそも中国にはジャーナリズムが無いので、メディアにはお金を払って記事を書いて貰えばそれで良く、メディアと関係づくりをする必要があるのか、という見方をされる方もいらっしゃいます。いずれにせよ、広報活動の必要性はなかなか伝えにくい部分があります。

 企業広報担当者からの依頼の場合、ひとつのポイントは「危機管理」という側面からのインプットは効果的です。メディアとの関係づくりは「転ばぬ先の杖」であるという視点は、比較的納得感を持って必要性を認識頂けることが多いように思います。特に経営層の方々にその傾向が高いです。一方で、マーケティング担当者へのブリーフィングは非常に難しくなります。このところは、マーケティングの目的が、長期的なブランディングよりも短期的な販売促進にシフトしてきており、さらに広告とPRの垣根がなくなっている中で、広報活動の必要性の説明は難しいです。対象者の業務の目的を丁寧にヒアリングしながら、その視線を合わせてお話を組み立てることが重要になります。クライアントの業種を意識した上で、消費者のインサイトや、費用的な効果効率、影響力の波及の仕組みなど、様々な視点の組み合わせで説明することが必要となります。

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by hf0424 | 2016-04-11 06:53 | Work
2016年 02月 24日

中国PR:コーポレートPRの重要性

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 今日は中国における企業広報の重要性について記したいと思います。日系企業や欧米企業にかかわらず、企業名を前面に出さずブランド名を前に出してマーケティングを行う会社があり、そのまた逆もあります。例えば、バドワイザー、ジョニーウォーカーと聞けば、すぐにそれぞれビールとウイスキーを思い浮かべることが出来ると思いますが、企業名でインベブとディアジオという名を想起できる人は少ないと思います。一方で、BMWやアウディは、車種名は社名に英数字を加えただけ(BMW 5シリーズとかAudi A7とか)のシンプルな構成を取っており、企業ブランドと製品ブランドの間に差が存在しません。これらのマーケティングの考え方には、それぞれ一長一短があり、ここで詳しく論じることは避けたいと思いますが、ことに中国に於いては、これらのマーケティングをどのようにローカライズすれば良いでしょうか。

 結論を先にしますと、中国においては、他国(特に先進国)での展開に比べて、製品ブランドだけではなく企業ブランドの浸透にも力を入れるべきだと考えています。背景として、中国はこの10年余りで急激な経済成長を遂げました。可処分所得が急激に増え、資産価値が急激に増大する一方で、審美眼の成長はそのスピードに伴うものではありませんでした。中国でのブランドネーミングに関する投稿でも言及しましたが、お金持ちが必ずしも学があるわけでもありません。そこにさらに、中国人の性悪説がベースとなった考え方が重なると「お金は持っているものの、何を買ったら良いのかわからない(騙されたくない)」という考えにたどり着きます。それゆえ、中国人の購買行動への影響度を調査すると「家族・友人の推薦」が必ずナンバーワンになるのです。さらにネット上の口コミあたりが続いた後、出てくるのは「企業への信頼度」なのです。

 「あの企業なら安心だ」「名の知れた大きな会社が、短期的な利益のために騙すことはない」と考えるため、自分が価値判断を下せない場合に、企業の知名度で購入判断を行うことが多いのです。(少し話が逸れますが、この時「値段が高いものの方が、より良いものだ」という考え方をすることも多いことは注意すべきポイントです)それゆえ、中国においては、日本ではあまり企業名を表に出していないような企業が、社名を前に出していることも少なくありません。これらにはやはり理由があり、中国人の消費インサイトに基づいた結果なのだと考えています。

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by hf0424 | 2016-02-24 06:26 | Work