酔いどれ広報マン中国をゆく

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2016年 02月 22日

2016年春節:成田空港の免税品引渡しカウンター

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 中国人の一大イベント「春節」が終わりましたが、今後もしばらくインバウンド熱はまだ冷めないでしょう。毎年2月前後の春節と10月の国慶節が、中国人観光客のピークと考えてしまいがちなのですが、実際の渡航者推移を見ると、実は春節よりも気候の良い3月や4月の春先、さらには夏休みとなる7月や8月にピークを迎える(春節時期の約1.5倍程度の観光客数)ことがわかります。祝日の長期休暇ということで、春節と国慶節がハイライトされがちですが、実はそれに関係なくずっと中国人観光客は多い、というのが実情です。おそらく「銀座にいつも中国人がいっぱい」という一般の方々の肌感覚の方が、中国関連のマーケターの感覚よりも正しいかもしれません。

 さて、中国への帰国がてら、成田空港で銀座三越の市中免税店の引渡しコーナーを見てきました。まだまだスタートだから、ということもあるかもしれませんし、立ち寄った時間の問題もあったかもしれませんが、ガラガラでした。韓国やハワイのそれと比べると、やはりまだまだ寂しいですね。これからに期待です。同時に、空港内の免税店に目をやれば、やはりどこも大行列。「じゃがボックル」と「白い恋人」は、店舗の前に補充用の商品がダンボールで置かれているという臨戦態勢でした。銀座三越の市中免税店は、百貨店という建前もあるとは思いますが、もう少しバラマキ用のニーズを満たす商品ラインナップをすると良いと思います。「市内で買い物して、空港まで運んでもらえる」という最大の差別化ポイントを理解し、観光客の利便性を高めることが、何よりの成功の近道だと思います。

 また、毎年春節の後になると、決まって出てくるのは「海外での売上を増やしたい」というご依頼です。自社の商品が中国人観光客にウケが良いのに気を良くして、経営者自らトップダウンで担当者に指示を出す、ということが増えるのもこの時期です。こちらについては、我々にとってはとてもありがたい話ですし、私の意図している考えと近いものがあります。インバウンドは「きっかけ」であるべきで、長期の成功はやはり「現地で売れる」ことが重要だという考えです。インバウンド需要はまだまだスタートしたばかりで、まだまだ変化が大きいはずです。為替が逆ブレした後、そして受け入れ側がサービス向上でその影響をどこまで自助努力で解決できるか、問題は山積みです。インバウンドで得た利益を、しっかり長期的な稼ぎ口の開発にシフトすることが求められます。

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by hf0424 | 2016-02-22 06:43 | Work
2016年 02月 09日

中国人観光客向けインバウンド施策:韓国の本気

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 中国では春節休暇がスタートしました。それと同時に、日本のテレビや新聞報道でも「爆買い」マーケットの今後を占うようなニュースが、盛んに流れているようです。私は急な日本出張となってしまい、東京に来ています。オフィスのある六本木近くに宿泊しているのですが、早速、大変興味深い光景を目にしました。上記は六本木周辺を走っていたトラックを撮影したものですが、この写真の意味するところがお分かりになりますでしょうか。広告ラッピングが施されたこのトラック、韓国のカジノの広告が掲出されていますが、驚くべきはその言語です。此処は東京なのに、なんと中国語の広告が掲出されています。

 広告には「韓国ソウル・プサン Seven Luckカジノへようこそ」と書かれています。推察するに、韓国は中国人観光客が減少傾向にあり、その中国人観光客が日本に流れているのを奪い返したい考えがあるのでしょう。そのために、なんとライバルのシマで広告を掲出しているのです。おそらく、人によっては「節操ない」「プライドはないのか」などという声を上げそうですが、私は素直に「さすが韓国」と思いました。日本に居るとあまり感じないかと思いますが、海外における韓国企業のプロモーション展開は、とても大胆で戦略的です。時には、広告が商品をそのもの以上に感じるほどの上手さを持つものもあるほどです。

 最近の韓国は、経済的にもあまり良い話を聞きませんが、分野によっては競争力を持つ分野がありますし、新しい物を打ち出しトライアンドエラーをする挑戦心を持っています。この広告を見て、やはり韓国企業は抜け目ない、日本企業もある意味で見習うべきと思いました。全てが劣っているとか勝っているとか言うつもりもありませんが、良いところは素直に認めて行きたいです。本件については、ターゲティングもメディア選択上の飛躍もユニークで大胆だと感じました。日本の報道では「小売店の外国人インバウンド客対応によって、従来の日本人顧客離れが起き始めている」などと報道されていますが、正直ピント外れに感じます。これほどの危機感に、感じるものはないでしょうか。
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by hf0424 | 2016-02-09 08:39 | Work
2016年 02月 04日

中国人観光客向けインバウンド施策:SNS施策について

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 中国人観光客向けのインバウンドPR施策について、特にソーシャルメディアを活用したPR施策について記します。具体的には、微博(Weibo)や微信(WeChat)、BBSや旅行サイト、さらには動画サイトなどが重要なメディアとなりますが、具体的にそれぞれの活用方法を説明したいと思います。まずは微博(Weibo)と微信(WeChat)について、これらはそれぞれ、日本で言うところのTwitterとLINEのようなサービスですが、通常の企業の活用法はというと、公式アカウントを開設して情報発信をすることがまず思いつくと思いますが、短期的な結果を得るためには、それは向きません。なぜなら、公式アカウントを開設してファンを獲得するのには時間と労力(とお金)が掛かるからです

 短期的な効果を得るための、微博(Weibo)と微信(WeChat)活用方法は、いずれも「発言力が高い微博と微信上の有名人・アカウントに情報を発信してもらう」というPR型の施策を採ることです。微博ならば紅人と呼ばれるインフルエンサーや各界のKOLなどとタイアップし、微信ならば「公衆号」と呼ばれる、メディアアカウントとタイアップして情報発信するのがオススメです。企業が発言力を自分で身につけるのではなく、発言力の高い人に、自社の製品やサービスについて紹介してもらうという方法です。具体的には、タイアップやサンプリングの方法を使い、記事を書いてもらえるように働きかけます。書いて欲しい内容によっては、「推広」といった広告表記が必要になったり、内容によっては紹介を断られる場合もあります。これらの施策が良いのは、(微博と微信は)それぞれの投稿の閲読数を公開(本人公開と外部公開)しているため、効果測定ができることです。BBSも同じく、BBSでの有力な発言者にサンプリングして、記事化を促します。BBSは特に美容の分野などで活用が活発です。

 さらに、蚂蜂窝穷游といった旅行サイトもこのところ人気を博しています。特に中国人観光客は、中国のパックツアーでの旅行にこの数年で嫌気がさしており(行きたくもないところに連れ回され、買い物をさせられ、自由な時間がないため)こういった自由旅行を計画するのに役立つサイトを重視しています。実際に旅行に行った個人が、ブログのような形で旅行記をアップしており、そのリアルな内容が受けているようです。彼らが囲い込んでいるユーザーに、実際に体験記事を書いてもらうような(PRで言う所のプレスツアーのような)タイアップなどが可能です。

 動画サイトについては、Youku土豆網、そして百度系のiQiyiが有名です。こういったサイトに、オリジナルの動画を制作して発信することも、最近流行っています。我々も過去に、シンガポール政府観光局と日系メーカーがコラボして動画を制作し、PRに活用する企画をサポートいたしました。そのような企画は、予算も大きくかかりますが、このところはスマートフォンのカメラの品質向上により、一般の人たちが動画をシェアするプラットフォームが影響力を持ち始めています。Instagramが中国は使えませんので、それの動画版のような、美拍や秒拍が流行っています。美拍は女性向けの自撮りアプリとして有名になりましたが、最近、微博へのリンクを遮断されたため、企業の情報拡散という視点では秒拍がメジャーになってきました。動画サイトやアプリに関しては、比較的公式アカウントの運営の手間が低いのと、プラットフォーム的価値が高いので、公式アカウントを運営することもオススメです。もちろん、流す動画ありきとなりますし、最初に手をつけるメディアはではないですね。

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by hf0424 | 2016-02-04 06:59 | Work
2016年 02月 03日

中国人観光客向けインバウンド施策:ウェブ施策について

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 中国人観光客向けのインバウンドPR施策について、まず重要なのはインフラ整備(HPの多言語化、商品の中文表記・ネーミング、店頭サイン等の多言語化、店頭決済手段の整備)だ、というお話をしました。では受け皿の整備を踏まえて、実際に積極なPR施策を行うには何から始めるのが良いでしょうか。短期的な成果を上げるための施策と、長期的に成果を上げ続けるための施策の二つに分類して考えたいと思います。まずは、短期的な成果を上げるための施策について、書いてゆきたいと思います。

 インバウンドに向けて、短期的な効果を得るためのPR施策の最たるものは、やはりウェブ施策だと思います。具体的には、SEMやターゲティング広告などのウェブ広告、そして、ソーシャルメディアを活用したPR施策が効果的です。メリットは前述の通り、短期的に結果が出しやすいこと、施策ボリュームを効果に応じてコントロールしやすいことです。一方でデメリットは、ブランドとしての価値の蓄積に乏しいことが挙げられます。つまり、お金をかけて実施を続けなくては効果が得られない。つまり、フローであり、ストックがない(少ない)施策だからです。

 では、さらに具体的にお話ししたいともいます。ウェブ広告については、日本のそれと大きな変わりがありません。日本旅行に興味がある人が検索しそうなキーワードや、日本旅行の検討している人の行動に応じたメディアに効率的に広告を掲載し、商品やお店の情報などを記したLP(ランディングページ)に誘導する、といったものです。もう一つは、ソーシャルメディアを活用したPR施策で、これが現在、非常に高い人気を集め、観光客への影響力が増していると考えています。具体的には、微博(Weibo)や微信(WeChat)、さらにはBBSや動画サイトなどが重要なメディアとなります。こちらについては、非常に重要なので、次回にもう少し細かく紹介したいと思います。

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by hf0424 | 2016-02-03 06:48 | Work
2016年 02月 02日

中国人観光客向けインバウンド施策:始めるにあたって

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 今回は中国人観光客向けのインバウンドPR施策について、もう少し実践的な話をしたいと思います。日本のクライアントから相談を受けた際、まず一番最初に確認することは、受け入れインフラの問題です。HPの多言語化、商品の中文表記(ネーミング)、店頭サイン等の多言語化、さらには店頭決済手段の整備。クレジットカードを使わない人も未だに多いため中国人の決済においては、中国の場合は銀聯カード(Union Pay)が重要です。さらに利便性を整備するのであれば、現在はアリペイ(支付宝)や WeChat Payment(微信支付)に対応することでしょうか。個人的には、そこまで必要としないのではと思いますが。

 もしかしたら、実はそれよりも前に確認が必要な重要な問題もあります。それはクライアント社内でのコンフリクトの問題です。特にメーカーさんの場合は重要です。インバウンド施策はつまり「日本で買うと安いよ」「種類豊富だよ」といったメッセージを、中国人観光客が日本に渡航する前にインプットすることがポイントになります。しかし、そのメーカーがすでに中国に進出している、その製品が中国で売っている企業だったとすると、どうでしょうか?中国の現地オフィスからすれば、本社がインバウンドPRを行うことは、さながら営業妨害とさえ映るのではないでしょうか

 我々も、こういった問題に最初から気付いていたワケではありません。過去に、あるスポーツ用品メーカーさんからご相談を受けた際、雑誌に編集タイアップを行いたいという依頼を受けたのですが、そこである雑誌に持ちかけたところ、問題が発覚しました。そのメーカーの中国法人では、中国での販売促進のためにその雑誌に定期的に出稿を行っていたようです。同じクライアント(実際には中国か日本かという違いがあるのですが)について、いつも取引を担当する広告代理店ではない会社から問い合わせを受けたため、その雑誌の広告担当者はすぐにメーカーの中国法人に確認をしたのです。ほどなくして、メーカーさん内の日中間で情報共有が行われ、一悶着起きたようです。このように、気をつけるべきポイントはいくつもあるのです。

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by hf0424 | 2016-02-02 06:37 | Work
2016年 02月 01日

中国人観光客向けインバウンド施策:これまでの経緯

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 春節が今年も近づいてきました。やはり現在の注目は、インバウンドでしょうか。我々のところにも、多くのお客様からインバウンド施策についてお問い合わせをいただきますが、お問い合わせがあったからといって、効果の出ない施策をお勧めするつもりはありません。しっかりと目的とするところや、短期的なゴールより先のお話までするべきだと考えています。現在、外国人観光客の恩恵を受けているのは、ホテル、飲食店、小売店、商業施設、メーカーなどがあるかと思いますが、広告・PR・(店頭)販促という、インバウンド向けにコミュニケーション施策を実施して、反応が最も顕著となっているのは小売店ではないでしょうか。多くの人々には「インバウンド」は、つい最近まで馴染みがなかったかもしれませんが、我々はBaidu Japanさんとの取り組みなどを通じ、2009年あたりから取り組んできました。少し過去を振り返りながら数回に分けて記しますので、ポイントを参考にしていただきたいと思います。

 そもそも、私がインバウンド市場に取り組みを始めたのは、2008年末の金融危機がきっかけでした。金融危機の影響で、2009年には中国のPR市場も大幅な冷え込みがあり、弊社もその影響は大きいものでした。とはいえ、どうにかして仕事を探さなくてはならないため、中国国内で日系企業に営業に行くだけではなく、日本に行って「中国に進出するなら、現地でのPRをお手伝い出来ます」と営業を行なったのです。しかし、日本で営業に行ってみて分かったのは「今中国に進出する体力はないけど、中国から来る観光客にモノを売りたい」という声が、予想以上に多いことでした。また、2009年当時、興味あると声を掛けて頂いたクライアント様は、主に小売店、商業施設、飲食店、ホテルが中心でした。

 この当時、これらのお客様の中で実際のところ、我々の行ったPR施策や広告施策が(ある程度効果測定できる)成果を収めたのは小売店だけでした。飲食店は中国人があまりお金を食事に落とさない傾向があり結果が出にくく、同じく商業施設やホテルなども結果(集客や販売)を出しにくかったです。ゆえに、そういったお客様には、広告やPRなどのプッシュ施策積を講じるよりは、店頭の表示案内の多言語化や、銀聯カードなどの支払いの対応、HPの他言語化などといった、受け皿の強化をまずはお勧めしました。一方で小売店は、ドンキホーテさんやマツモトキヨシさんなど、インバウンドで現在大きな成果を上げている会社は、この時期から積極的なプロモーション施策をスタートしていました。裏を返せば、現在の両社の活況は運によるものではなく、早くからの取り組みと、弛まぬ改善があっての現在なのだ、ということです。しかし、盛り上がりかけていたインバウンド熱はこの後、大きな凋落を起こします。

 2011年の東日本大震災と2012年の尖閣諸島の国有化による、日中関係の悪化がその原因です。徐々に形成されていたマーケットがみるみるうちに萎んでいくのがわかりました。顕著だったのは、飛行機の機内です。中国から出張や帰省で利用する、東京行きの飛行機の空席率が、とても目立つようになりました。当時、空席が8割近いフライトも多かったような気がします。我々のクライアントも、積極的に観光客向けの施策を続けるクライアントも殆ど無くなってしまいました。それが突如、2013年のアベノミクスに端を発する為替相場の変動によって、多くの観光客が訪れるようになり、状況が一変しました。一変したのは、観光客の急増だけではありません。我々のクライアントの業種が著しく変化しました。「小売店、商業施設、飲食店、ホテル」が中心だったインバウンドクライアントに「メーカー(医療系、家電中心)」が一気に増えました。むしろ、ほとんどがメーカーからの依頼に様変わりすることになったのです。

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by hf0424 | 2016-02-01 06:45 | Work