2016年 02月 03日
中国人観光客向けのインバウンドPR施策について、まず重要なのはインフラ整備(HPの多言語化、商品の中文表記・ネーミング、店頭サイン等の多言語化、店頭決済手段の整備)だ、というお話をしました。では受け皿の整備を踏まえて、実際に積極なPR施策を行うには何から始めるのが良いでしょうか。短期的な成果を上げるための施策と、長期的に成果を上げ続けるための施策の二つに分類して考えたいと思います。まずは、短期的な成果を上げるための施策について、書いてゆきたいと思います。 インバウンドに向けて、短期的な効果を得るためのPR施策の最たるものは、やはりウェブ施策だと思います。具体的には、SEMやターゲティング広告などのウェブ広告、そして、ソーシャルメディアを活用したPR施策が効果的です。メリットは前述の通り、短期的に結果が出しやすいこと、施策ボリュームを効果に応じてコントロールしやすいことです。一方でデメリットは、ブランドとしての価値の蓄積に乏しいことが挙げられます。つまり、お金をかけて実施を続けなくては効果が得られない。つまり、フローであり、ストックがない(少ない)施策だからです。 では、さらに具体的にお話ししたいともいます。ウェブ広告については、日本のそれと大きな変わりがありません。日本旅行に興味がある人が検索しそうなキーワードや、日本旅行の検討している人の行動に応じたメディアに効率的に広告を掲載し、商品やお店の情報などを記したLP(ランディングページ)に誘導する、といったものです。もう一つは、ソーシャルメディアを活用したPR施策で、これが現在、非常に高い人気を集め、観光客への影響力が増していると考えています。具体的には、微博(Weibo)や微信(WeChat)、さらにはBBSや動画サイトなどが重要なメディアとなります。こちらについては、非常に重要なので、次回にもう少し細かく紹介したいと思います。 #
by hf0424
| 2016-02-03 06:48
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2016年 02月 02日
今回は中国人観光客向けのインバウンドPR施策について、もう少し実践的な話をしたいと思います。日本のクライアントから相談を受けた際、まず一番最初に確認することは、受け入れインフラの問題です。HPの多言語化、商品の中文表記(ネーミング)、店頭サイン等の多言語化、さらには店頭決済手段の整備。クレジットカードを使わない人も未だに多いため中国人の決済においては、中国の場合は銀聯カード(Union Pay)が重要です。さらに利便性を整備するのであれば、現在はアリペイ(支付宝)や WeChat Payment(微信支付)に対応することでしょうか。個人的には、そこまで必要としないのではと思いますが。 もしかしたら、実はそれよりも前に確認が必要な重要な問題もあります。それはクライアント社内でのコンフリクトの問題です。特にメーカーさんの場合は重要です。インバウンド施策はつまり「日本で買うと安いよ」「種類豊富だよ」といったメッセージを、中国人観光客が日本に渡航する前にインプットすることがポイントになります。しかし、そのメーカーがすでに中国に進出している、その製品が中国で売っている企業だったとすると、どうでしょうか?中国の現地オフィスからすれば、本社がインバウンドPRを行うことは、さながら営業妨害とさえ映るのではないでしょうか。 我々も、こういった問題に最初から気付いていたワケではありません。過去に、あるスポーツ用品メーカーさんからご相談を受けた際、雑誌に編集タイアップを行いたいという依頼を受けたのですが、そこである雑誌に持ちかけたところ、問題が発覚しました。そのメーカーの中国法人では、中国での販売促進のためにその雑誌に定期的に出稿を行っていたようです。同じクライアント(実際には中国か日本かという違いがあるのですが)について、いつも取引を担当する広告代理店ではない会社から問い合わせを受けたため、その雑誌の広告担当者はすぐにメーカーの中国法人に確認をしたのです。ほどなくして、メーカーさん内の日中間で情報共有が行われ、一悶着起きたようです。このように、気をつけるべきポイントはいくつもあるのです。
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by hf0424
| 2016-02-02 06:37
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2016年 02月 01日
そもそも、私がインバウンド市場に取り組みを始めたのは、2008年末の金融危機がきっかけでした。金融危機の影響で、2009年には中国のPR市場も大幅な冷え込みがあり、弊社もその影響は大きいものでした。とはいえ、どうにかして仕事を探さなくてはならないため、中国国内で日系企業に営業に行くだけではなく、日本に行って「中国に進出するなら、現地でのPRをお手伝い出来ます」と営業を行なったのです。しかし、日本で営業に行ってみて分かったのは「今中国に進出する体力はないけど、中国から来る観光客にモノを売りたい」という声が、予想以上に多いことでした。また、2009年当時、興味あると声を掛けて頂いたクライアント様は、主に小売店、商業施設、飲食店、ホテルが中心でした。 この当時、これらのお客様の中で実際のところ、我々の行ったPR施策や広告施策が(ある程度効果測定できる)成果を収めたのは小売店だけでした。飲食店は中国人があまりお金を食事に落とさない傾向があり結果が出にくく、同じく商業施設やホテルなども結果(集客や販売)を出しにくかったです。ゆえに、そういったお客様には、広告やPRなどのプッシュ施策積を講じるよりは、店頭の表示案内の多言語化や、銀聯カードなどの支払いの対応、HPの他言語化などといった、受け皿の強化をまずはお勧めしました。一方で小売店は、ドンキホーテさんやマツモトキヨシさんなど、インバウンドで現在大きな成果を上げている会社は、この時期から積極的なプロモーション施策をスタートしていました。裏を返せば、現在の両社の活況は運によるものではなく、早くからの取り組みと、弛まぬ改善があっての現在なのだ、ということです。しかし、盛り上がりかけていたインバウンド熱はこの後、大きな凋落を起こします。 2011年の東日本大震災と2012年の尖閣諸島の国有化による、日中関係の悪化がその原因です。徐々に形成されていたマーケットがみるみるうちに萎んでいくのがわかりました。顕著だったのは、飛行機の機内です。中国から出張や帰省で利用する、東京行きの飛行機の空席率が、とても目立つようになりました。当時、空席が8割近いフライトも多かったような気がします。我々のクライアントも、積極的に観光客向けの施策を続けるクライアントも殆ど無くなってしまいました。それが突如、2013年のアベノミクスに端を発する為替相場の変動によって、多くの観光客が訪れるようになり、状況が一変しました。一変したのは、観光客の急増だけではありません。我々のクライアントの業種が著しく変化しました。「小売店、商業施設、飲食店、ホテル」が中心だったインバウンドクライアントに「メーカー(医療系、家電中心)」が一気に増えました。むしろ、ほとんどがメーカーからの依頼に様変わりすることになったのです。
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by hf0424
| 2016-02-01 06:45
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2016年 01月 29日
閑話休題、たまには趣味のネタを。(以下、完全にオタクっぽいネタですみません。)私、紳士靴、ドレスシューズと呼ばれる靴が大好物でして。社会人になってから、頑張って買い足しては丁寧にケアをして、履き続けております。いわゆる高級靴で最初に買ったのは(今は亡き)BONORAで、履く頻度は下がったものの、10年を超えても未だに現役です。困ったことにこの10年以上、せっせと投資しては買い足し続けているため、すでにローテーションで履ける数を超えております。もう買い足さないようにしよう、と固く誓いながらも、ついつい買ってしまうのが悩みどころです。(そのうち放出も検討しないと、靴箱が限界を迎えそうです。)色々と気になるブランドを試して、あれこれ履いてきましたが、ここ近年はっきりと認識するのは、いわゆる「定番」の強さです。各紳士靴メーカーには「名品」や「定番」と呼ばれるようなフラッグシップとされるモデル(ジョンロブの「フィリップⅡ」、エドワードグリーンの「チェルシー」、ベルルティの「アンディ」など)があるのですが、ヤツらはやはり破壊力が半端ないです。 今回はその中でも、最もお気に入り。購入後すぐに「もっと早く買っておくべきだった」と思わされ、そして「色違い・素材違いも買わねば」と、唯一思わされる名靴をご紹介いたします。それは、英国を代表する紳士靴メーカー「エドワードグリーン」の外羽根Uチップ「DOVER」でございます。美しいラスト(木型)から生まれるエレガントなフォルム、アッパーに施されたスキンステッチの繊細さから、上品さをビシバシ感じる一方で、もともとカントリー仕様であったオリジンを感じさせる、無骨なダブルソールと、靴紐サイド部分に施された太い糸の堅固なステッチ。この絶妙なミックスが、なんとも言えない独特のオーラ、香気を放ち、手にする人間を魅了して止みません。また、スーツ、ジャケパン、カジュアル、ジーンズと何でもござれな包容力は、動かざること山の如しです。 さて、DOVERというと、スキンステッチ(革の表面ではなく内部に縫い糸を通し表面にアタリを出す、独特のステッチ)が最大の魅力であることは、疑いようのない事実です。しかし敢えて異論を申し上げますと、やはりグリーンが誇る豊富なラスト(木型)との相性に言及したくなります。私のDOVERは、606と云うラストですが、全体の幅やトゥの形状が異なる、32、202、888などの伝統的なラストに加え、82などの魅力的なラストが、豊富に揃っています。歴史を持つシューメーカーならではのヘリテージですね。多くのセレクトショップがラスト違いで別注を掛け展開していますが、ラストのバリエーションが上手く反映されるモデルだということは、DOVERの重要な魅力だと思います。黒カーフのDOVERを、ラスト違いで同時に2足買ったキチガイな友人もいますが、実は、私も密かに2足買いを狙っています。私はタバコスウェード、82ラストのEウィズが目下のターゲットです。今後も、靴については少しずつ書き足したいと思います。ご笑覧ください。
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by hf0424
| 2016-01-29 07:13
| Art Design Fashion
2016年 01月 28日
中国に進出している日本企業の本社機能の多くが、集中しているのは北京と上海です。ある程度の規模の会社は、この二都市のいずれかに本社を持っていることが多いです。北京は政府や省庁のお膝元ということがあって、日本で東証に上場しているようないわゆる「大企業」の本社機能は、北京に置かれることが多いように思います。また、上海は販売や貿易の中心ということで、過去に事業部が先行して進出した企業や、輸出入に関わる企業が、上海に本社を置く傾向があるように思います。本社所在地によって、何か大きな変化が生まれるわけではありませんが、我々のクライアントの傾向やメディアについて、その土地要因を記しておきたいと思います。 まず、北京は前述の通り、政府のお膝元ということがあって、基幹産業となるような業界(自動車、電機、ITなど)に属する企業が多くあります。企業コミュニケーション上では、広報部や渉外部、総経理室と呼ばれるような部門が設置されることが多く、広報ニーズ的には、コーポレートPRや危機管理、メディアモニタリングなどのニーズが多いです。一方で同時に、そういった基幹産業に属する企業は、北京に大きなマーケティング予算をもたせている場合が多い傾向があります。これらの予算は、大型の製品の大規模な広告およびPR活動の費用となっています。ところ変わって、上海にはマーケティング部、営業部といった部門が多く設置され、広告、マーケティング、販促に類する予算が持たされている場合が多いです。小さな会社が多く集まっているような印象があり、我々の視点で言うと、予算が分散している印象を受けます。ニーズ的には、製品PR、ソーシャルメディアマーケティングのニーズなどが多いです。 次に、メディアについて。メディアは、北京に偏っている傾向があります。特に新聞と雑誌メディアの編集部が集中しています。日本でいうところの、東京にメディアが一極集中しているようなもので、中国ではそれが北京への集中となっています。例えば、ライフスタイル系の雑誌や、ウェブメディアであれば、編集スタッフを上海においている場合もありますが、実際には大多数が北京に在籍しているため、北京を無視してPRを行うことは、事実上不可能なのではないかと思います。ただし、このところのメディアの勢力構造変化により、ウェブメディアやSNSが企業のコミュニケーション活動の重要な部分を占めていることは間違いがありません。その傾向下では、オフィスの場所などはすでに関係がなく、ウェブ系の制作会社などの数は、おそらく北京よりも上海の方が多いのではないかと思われます。
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by hf0424
| 2016-01-28 07:01
| Work
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北京での日々をつづります。なお、当ブログに記載される内容は、所属する会社を代表するものではありません。Author: 舟橋 宏人 Hiroto Funahashi by hf0424 カレンダー
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