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酔いどれ広報マン中国をゆく

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2016年 02月 09日

中国人観光客向けインバウンド施策:韓国の本気

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 中国では春節休暇がスタートしました。それと同時に、日本のテレビや新聞報道でも「爆買い」マーケットの今後を占うようなニュースが、盛んに流れているようです。私は急な日本出張となってしまい、東京に来ています。オフィスのある六本木近くに宿泊しているのですが、早速、大変興味深い光景を目にしました。上記は六本木周辺を走っていたトラックを撮影したものですが、この写真の意味するところがお分かりになりますでしょうか。広告ラッピングが施されたこのトラック、韓国のカジノの広告が掲出されていますが、驚くべきはその言語です。此処は東京なのに、なんと中国語の広告が掲出されています。

 広告には「韓国ソウル・プサン Seven Luckカジノへようこそ」と書かれています。推察するに、韓国は中国人観光客が減少傾向にあり、その中国人観光客が日本に流れているのを奪い返したい考えがあるのでしょう。そのために、なんとライバルのシマで広告を掲出しているのです。おそらく、人によっては「節操ない」「プライドはないのか」などという声を上げそうですが、私は素直に「さすが韓国」と思いました。日本に居るとあまり感じないかと思いますが、海外における韓国企業のプロモーション展開は、とても大胆で戦略的です。時には、広告が商品をそのもの以上に感じるほどの上手さを持つものもあるほどです。

 最近の韓国は、経済的にもあまり良い話を聞きませんが、分野によっては競争力を持つ分野がありますし、新しい物を打ち出しトライアンドエラーをする挑戦心を持っています。この広告を見て、やはり韓国企業は抜け目ない、日本企業もある意味で見習うべきと思いました。全てが劣っているとか勝っているとか言うつもりもありませんが、良いところは素直に認めて行きたいです。本件については、ターゲティングもメディア選択上の飛躍もユニークで大胆だと感じました。日本の報道では「小売店の外国人インバウンド客対応によって、従来の日本人顧客離れが起き始めている」などと報道されていますが、正直ピント外れに感じます。これほどの危機感に、感じるものはないでしょうか。

by hf0424 | 2016-02-09 08:39 | Work


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