酔いどれ広報マン中国をゆく

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2016年 01月 25日

中国広報・PRにおけるメディアとお金の関係

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 中国のメディアとお金について、書いてみたいと思います。日本で海外に関わる広報・PR関係者であれば、中国のメディアについて「お金で記事を買うことができる」という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。これは半分は正解で、半分は正しくありません。確かにメディア発表会などに誘致した記者に、「交通費(車馬費)」と呼ばれる実質上の謝礼(300元〜500元くらい)を支払って、記事を書いてもらうことは横行しています。が、その一方で、禁止の動きも目立っています。習近平の反腐敗運動の一環で、メディアの摘発が2013年末くらいから始まり、多くの耳目を集めるモーターショーから禁止の動きが始まりました、2014年の北京MSからでしょうか。もちろん、前述の数100元程度の謝礼が問題の本質ではなく、もっと巨大な金額が動いていることを懸念した動きですが、一定の抑止力が働き始めたように思います。

 やはり背景から理解をしたいと思います。そもそも、中国のメディアは全て政府の管轄下にあります。中国共産党委員会や国務院直下の中央宣伝部、新聞弁公室などの省庁がそれぞれの管轄メディアを管理しています。さらに、もともと記者や編集者は公務員のような立場だったそうです。つまり「政府の発表をそのまま伝えるライター」のような職務だったようです。ゆえに手厚い保護が与えられていたようです。そういった記者は記事の質というものへのこだわりは低く、言われたことをそのまま書くようなことが横行していました。近年、経済の発展とメディアの競争激化が起きても、そういったオールドな記者が存在していることは確かです。

 一方でメディア事業への外資参入や、ジャーナリズム精神に溢れる若い記者の登場が、変化を起こし始めています。謝礼を受け取らないということを、社の方針としたメディアがあったり、記者が自分の名刺にそう書き記している記者もいます。しかし、雇用形態は以前の手厚い公務員然としたものではなくなり、新しいメディアがどんどん増えて職が分散した結果、給与は必ずしも高いわけではないようです。以前、ある企業の依頼を受けて記者にインタビューを行ったところ「企業から謝礼を受け取ることはよくないと思っている。しかし、給与外収入(つまり企業からの謝礼など)が前提となった給与設定となっているため、現実的にはそれを放棄することはできないのではないか」と話してくれました。

 以前、欧米系のクライアントで、コンプライアンスの問題などをもとに、謝礼支払いの是非を検討した企業がありましたが、やはり結局は支払うことが必要(有効)と判断されていました。実際には、単純にお金をばらまいているわけではなく、記者の身分証番号を受け取って、労務費として所得税を処理をして(労働に対する正当な対価として)支払う必要があります。

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by hf0424 | 2016-01-25 07:00 | Work


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