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酔いどれ広報マン中国をゆく

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2016年 01月 19日

中国の新聞

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今日は中国の新聞について。まず中国の新聞と日本の新聞の共通点は、購読者年齢が高齢化していること、と発行部数が減少していることでしょう。しかし、一方で、発行される新聞の種類は未だ多く、経済紙やタブロイド紙など、伸びているカテゴリーもあります。広告がしっかり入っていることも重要なポイントです。しかし、日本と中国の新聞の違いを本質的に掴むには、やはりその背景をつかむ必要があります。ポイントは①人口の多さと国土の広さ、②共産党の一党政権、③新聞購読と新聞経営の在り方の3つでしょうか。

①人口と国土、これは単純にして非常に重要なポイントです。人口よりも国土の広さの方が重要ですね。15億人という人口が、日本の30倍近い広さを誇る国土に散らばっており、北と南では、言葉も人柄も全く違う状況を生み出しています。それゆえ、全く離れた違う地域のニュースは親近感がなく、それゆえローカルの情報が重要となります。日本のように全国紙が強さを持っておらず、地域ごとのローカル紙が重要な役目を担っています。

②共産党の一党政権、これはやはり、政府がメディアの論調管理をしているという事実です。宣伝導向というメディアへの指示が定期的に政府から届き、(主に国内外の政治について)何をどういう言葉で伝えるかまでが管理されています。日本人からするとショッキングなことですが、一方でバラバラの15億人という国民を管理するために、致し方ない部分があるのだとも思います。(そもそも、背景の違う多くの民族を一括に管理しようということに無理がある気もしますが。)

③新聞購読は、日本のように宅配制というものが浸透していません。会社単位での定期購読はあれど、自宅への宅配は稀です。地下鉄などで配布されているフリーペーパーが発展していたり、会社の新聞を回し読んだりすることが一般的のようです。また、それぞれの新聞が早くからウェブでの記事発信を行っていたのは、新聞経営の急速な先鋭化が背景にあったと思います。このところのメディアの変化が、経済が活況化し始めたちょうどその時だったことから、広告主や購読者の変化に敏感に対応し、ウェブとの連携もスムーズに移行したように思います。

こうした背景がありながら、全体的には経済の活況をもとに、全体的にはまだまだ影響力を維持しているように感じています。中国に来た当初は、新聞一つとってもずいぶん違うなあと感じたものでした。

by hf0424 | 2016-01-19 06:54 | Media


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